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高齢者の消費者トラブル

ご相談事例

 最近、独り暮らしの母の家に、何万円もする未開封の懐メロCD全集がありました。母は、「1週間前に電話があって購入した」と言いますが、契約書は見当たりません。あるのは、10日前の日付の納品書だけです。

 母は、以前にも操作が難しそうな電子辞書や同じ商品を何度も通販で購入していたことがあります。母は、CDを聞く機材を持っていません。最近の様子を見ていると判断能力が低下していることは間違いがないようです。

 契約の取り消しはできないでしょうか。

1.クーリングオフ

(1) クーリングオフとは

 「強引なセールスマンのペースに乗って、つい契約してしまった」というような訪問販売・店舗外販売や割賦販売などでのトラブルが起きたとき、その対策として「クーリングオフ」という制度を耳にされたことがある方も多いと思います。

 クーリングオフとは,法律で定められた記載のある契約書等を受け取ってから,法定の期間以内に契約の解除の意思表示をすれば,何の負担も無く契約を解除することができる制度です。クーリングオフの最大の特徴は、無条件・無負担で解約ができるというものです。

 ただし,全ての契約においてクーリングオフができるわけではありません。

クーリングオフできる場合
契約の種類 クーリングオフできる期間 関係法令
訪問販売(キャッチセールスやアポイントメントセールスも含む) 法定書面受領日から8日間 特定商取引に関する法律 第9 及び 第9条の2
電話勧誘販売 法定書面受領日から8日間 特定商取引に関する法律 第24条
連鎖販売取引(マルチ商法) 法定書面受領日から20日間 特定商取引に関する法律 第40条
特定継続的役務提供(エステや語学教室などの継続的なサービス提供の契約) 法定書面受領日から8日間 特定商取引に関する法律 第48条
業務提供誘引販売取引(副業のための商品や研修制度などの販売) 法定書面受領日から20日間 特定商取引に関する法律 第58条
個別信用購入あっせん(1つの商品やサービスの購入のためにするクレジット契約) 法定受領日から8日間 割賦販売法 第35条の3の10~12
預託取引契約(現物まがい商法) 法定書面受領日から14日間 特定商品等の預託等取引契約に関する法律 第8条
宅地建物取引(宅建業者が売主で事業所外の取引のケース) 法定書面受領日から8日間 宅地建物取引業法 第37条の2
ゴルフ会員権契約 法定書面受領日から8日間 ゴルフ場等に係る会員契約の適正化に関する法律 第12条
投資顧問契約 法定書面受領日から10日間 有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律 第17
保険契約(保険会社外での契約のケースのみ) 法定書面受領日から8日間 保険業法 第309条
クーリングオフできない場合

クーリングオフができない場合は、以下のようなケースです。

  1. クーリングオフについて説明を受けてから8日以上経過した場合。ただし、法律で定められた記載のある契約書等を受け取った日から行使期間の算定をします
  2. 健康食品、化粧品および履物などの消耗品を使用したり、一部を消費した場合(ただし、使用していない分についてのクーリングオフは可能)
  3. 3000円未満の代金を商品の受け取りと同時に全額支払った場合
  4. 通信販売(電話勧誘や訪問勧誘を受けずに自分で申込書に記載した場合)。ただし、業者が自主的にクーリングオフを認めている場合がある。
  5. エステや語学教室、学習塾、パソコン教室などの場合、短期間の契約であったり少額の契約であったりすると、クーリングオフができません。具体的には、エステの場合には1ヶ月以内、語学教室・学習塾・家庭教師・パソコン教室・結婚サービスの場合には2ヶ月以内の短期契約ならクーリングオフできません。また、これらの契約の金額が5万円以内の場合にもクーリングオフはできません。
  6. 購入者自身がセールスマンを呼びつけた場合
  7. クーリングオフ指定商品でない場合
  8. クーリングオフ適用除外商品(乗用自動車)である場合

(2)期間制限に注意

 上記のとおり、クーリングオフには期限がありますので、期限内に行わなければなりません。この期限は、申込書か契約書のいずれか早いほうを交付された日から計算することになっています。この申込書もしくは契約書には、事業所の住所や名前、契約の内容・価格など記載すべき事項が定められており、全てが記載された書面が交付されるまではクーリングオフ期間は開始しません。

 販売業者はかならず書面でクーリングオフが可能である旨告知しなければならないため、契約書の中に、赤枠・赤字で「この書面を受領した日から起算して8日を経過するまでの間は、書面により、申込の撤回または契約の解除を行うことができます」といった文言が書いてあります。もし万一、書面でクーリングオフの告知がなされなかった場合には、上記の期間を徒過してもクーリングオフによる解約が可能です。

2.クーリングオフができない場合に契約を取り消す方法

 クーリングオフが適用されない販売方法やクーリングオフ期間が徒過しているような場合の対処法についてご説明します。 

  クーリングオフはできないが、契約を取り消したいと考えた場合に考えられる方法としては、消費者契約法による契約取消しです。

  消費者トラブルの多くは、事実と異なる説明をされたり、不確実なことを断定的に説明された、有利なことを告げられた不利益なことをわざと告げられなかったことにより誤認して契約してしまった、訪問販売業者に対して帰ってもらいたいと言ったが居座れた説明をされたり、不確実なことを断定的に説明された、有利なことを告げられた不利益なことをわざと告げられなかったことにより誤認して契約してしまった、訪問販売業者に対して帰ってもらいたいと言ったが居座れてしまい契約せざるを得なかったなどという場合には、消費者契約法による契約取消しができます。

 消費者契約法は、全ての消費者契約(事業者と消費者の契約)を対象としており、クリーングオフ期間が過ぎていても、またクーリングオフができない契約でも契約を解消することができます。ただし、消費者契約法による取消しは、取消事由を消費者側が主張立証しなければならず、クーリングオフと比べて取消の要件が厳しいことは注意が必要です。

消費者契約法における取り消し事由

誤認

1.不実の告知411号)
消費者が契約の対象になっている商品やサービスなどについて、内容・品質・効果などの説明、価格や支払方法、その他重要な事項(契約内容)に対して、客観的に説明が事実と違うことを告知し、消費者がそれを事実と誤認した場合。

たとえば、業者が商品の内容・品質・価格・支払方法などについて事実と違う説明をした場合 

2. 断定的判断の提供412号)
消費者契約の目的となる、将来確実に財産上の利得を得られるかどうか、判断し難いものについて断定的であるかのような判断を提供した場合。

たとえば、絶対に・確実に・間違いなく儲かりますよ、などと言われ、契約してしまった場合 

3.故意による不利益事実の不告知42項)
契約内容の重要事項に関連して、消費者の利益になることを説明しながら、不利益な部分についてわざと隠し説明しないと消費者が誤認した場合。ただし、未熟な営業マンが知識不足で単に説明しなかった、という場合は取り消しできないということになってしまいます)

「利益については説明している」ということと、「不利益な部分についてわざと説明しなかった」ということの2つが必要となります。 

困惑 4.不退去431号)
事業者が消費者の自宅・仕事場などで勧誘しているとき、消費者が「帰ってほしい」など退去すべき旨の意思を示したにもかかわらず、退去しないで、勧誘を続けられ、契約した場合。 

5.退去妨害または監禁432号)
事業者が勧誘している場所から、消費者が「もう、帰りたい」など退去する旨の意思を示したにもかかわらず、帰らせてくれず、勧誘を続けられ、契約した場合。

退去すべき・する旨の意思は、「契約するつもりはありません」などでもOKです。また、身振りや態度・行動でもその趣旨がわかればOKです。

クーリングオフと消費者契約法による取消しの主な違い

 

クーリングオフ

消費者契約法による取消し
行使の理由

理由は不要

上記の誤認や困惑(消費者側が立証)
対象

適用対象商品のみ

すべての消費者契約(ただし、労働契約は除外)
期間 法定書面の交付(または告知)等の日から起算して 820日(商品によって違う) 誤認・困惑の状態が終了してから6ヶ月以内(ただし、契約締結の時から5年)
手段 必ず書面で(証拠が残るよう配達証明付内容証明郵便を利用するのが望ましい。) 法律上何でもよい(ただし、証拠が残るよう配達証明付内容証明郵便を利用するのが望ましい。)
費用負担 支払済み代金返還のための費用・・・事業者負担
受け取った商品の返還、引取費用・・・事業者負担

支払済み代金返還のための費用・・・事業者負担

受け取った商品の返還、引取費用・・・消費者負担

3.今回の事例の対応方法

 上記の事例のような訪問販売では、購入した日を含め、8日以内に書面(内容証明郵便)でクーリングオフをすれば、すでに届いている商品も合わせて購入を撤回することができます。

 もっとも、10日前の納品書があるようなので、8日はすでに経過している可能性がありますが、契約書が見当たらないことから、クーリングオフ制度の説明などを記載した契約書などの交付がなければ、クーリングオフの期間は始まらないため、まずは早急にクーリングオフをするのが良いといえます。また、商品について事実と異なる説明等があった場合には、消費者契約法による取消しも検討できます。

4.更なる被害を防ぐためには

 上記の方法により契約を取り消すことができたとしても、今後も不必要な商品を買わされるなど被害が続く可能性があります。

 そこで、将来の被害を未然に防ぐために、本人の心身の状態にあわせて、成年後見制度、任意後見制度、ホームロイヤーなどを利用することにより高齢者の財産を守っていくことが考えられます。

 高齢者を狙った悪質商法による消費者トラブルの相談が数多く寄せられています。もし皆様のご両親などが消費者トラブルにあっているのではないかとお考えの方、実際に消費者トラブルに遭ってしまった場合には消費生活センターや、高齢者問題、消費者問題に精通した弁護士への相談してください。

 

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