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ホームロイヤー

相談事例

 私は、現在75歳で都内に一人暮らしをしています。配偶者他界し、子どもはいません。実家に弟がいますが、ほとんど交流はありません。
 現在の収入は年金だけですが、退職金や貯蓄もあり、生活には支障はありません。
 昨年に足を骨折してから、体力の衰えを感じるようになり、年齢相応の物忘れも出るようになり、老後に不安を感じるようになりました。
 弟とは疎遠で頼ることもできませんので、今後自分に何かあったときのために、財産管理や処分のこと、死後の問題などについて今の内から考えておきたいと考えています。

 

1.ホームロイヤー(かかりつけ弁護士)って何?

 高齢者の方から今後の生活にかかわる希望や不安などについてご相談を受けることがあります。上記の相談事例のように、高齢者本人の判断能力に問題はないものの、現在や将来の生活に関する悩みを抱えている方におすすめしたいのが、「ホームロイヤー」です。

 年齢を重ねるごとに、財産のことや療養介護のこと等日常生活で生ずる様々な問題が起こります。 「ホームロイヤー」とは、個人の方などが抱えている将来の生活や財産管理等に関する不安を解消するために,法律相談や財産管理などを通じて継続的な支援を行う弁護士のことです。

 かかりつけのお医者さんのように、いつでも弁護士に住まいの問題、介護サービス、財産管理、任意後見、遺言書作成などの生活全般に関する様々な法律相談を気軽に相談することができます。

2.ホームロイヤーの活用例

  • ご高齢で財産管理に不安があるので財産管理を継続的な支援をお願いしたい。
  • 日常的に発生する費用の支払いの代行や入院手続きの際の付き添いなどをお願いしたい
  • 入院に際して、病院側から保証人や緊急連絡先を求められた。
  • 個人で賃貸物件をいくつかもっているため、何かあった時のために気軽に相談できるようにしておきたい
  • 遺言書の作成や相続について、継続的に相談にのってもらいたい。
  • 老後に備えて事業の承継を考えて相談にのってもらいたい。
  • 任意後見を考えているが、任意後見人になってくれる弁護士と、あらかじめ親しくしておき、将来に備えておきたい。
  • 自分が亡くなった後の葬儀や諸手続きについて相談したい、代わりに行ってくれる人を探している。

 このように、ホームロイヤーは様々な場面で活用することができます。高齢者が抱える現在~将来の多岐にわたる問題について、生前の財産管理・処分、死後事務の処理に至るまでの継続的な助言・提案をすることができます。

3.ホームロイヤーのメリット・デメリット

ホームロイヤーのメリット
① 継続的に相談にのってもらうことができる(継続的、総合的な支援)。

 体の調子悪いときには、かかりつけの医師に診てもらう方は多いと思います。かかりつけの医師であれば、あなたの普段の体の状態や、これまでかかった病気を知っていますので、適切かつ迅速な診断をすることができます。

 これと同じように、何か日常生活で困ったことがあったときにいつも相談する相手が決まっていたら心強いといえます。しかも、その相談相手が弁護士であれば安心感はさらに増すのではないでしょうか。

 生活の中で不安なことがあったり、トラブルが起きたときにでも、いち早く相談にのってもらったり、解決方法を教えてもらうことができます。また、あなたの家族関係や、周囲の状況などをあらかじめわかっている弁護士が相談にのりますので、より的確なアドバイスを受けることができます。また、弁護士には守秘義務がありますので、家族には話しづらい悩みなども気軽に相談することができます。

 そのほか、相談内容が税金に関するものであれば、必要に応じて税理士に繋いだり、登記に関するものであれば司法書士に繋ぐなど、他業種とも連携しながらスムーズに問題解決を図ることもできます。

 また、介護や医療等のご相談にも対応します。

 ホームロイヤーは,地域の福祉機関や医療機関と連携し,各職種と高齢者をつないでいくことになります。ホームロイヤーは,高齢者を支援していくという視点の下で,各職種をつなぎ調整を図るコーディネーターの役割を果たしていきます。

② 将来の財産管理に問題に備えることができる。

 今は元気でも、知らず知らずのうちに認知症が進行し、気づいたら自らでは財産管理が難しくなってしまう場合があります。そういった時に備える方法として任意後見があります。

 任意後見とは、将来判断能力が失われたり、減退してしまい、金融機関との取引や施設や病院との契約締結などの財産管理等の法律行為ができなくなった場合に備えて、自分の後見人になってもらうことを委任する契約です。

 任意後見人は、判断能力が衰えた自分に代わって、財産管理や必要な契約締結等をすることになりますので、大切な財産の管理を任せられるだけの信頼できる方でなければなりません。

 そこで、弁護士と任意後見契約を結ぶ前に、ホームロイヤー契約を利用しながら、任意後見人をお願いしようと考えている弁護士が、任意後見人を任せられる人物か試してみることができます。

 実際に、任意後見を検討中の方が、あらかじめ弁護士とホームロイヤー契約を結ぶことがあります。ホームロイヤー契約を結び、関係を築いておくことによって、自分と相性が合うか人物かどうか、安心して自分の老後を任せることができるかどうかを確認してから任意後見契約を結ぶことができますので、より安心して将来に備えることができます。

③ 費用が比較的低額

 ホームロイヤーは、上記の活用例など、依頼者の希望に応じて身の回りの困ったことについて気軽に相談することができます。相談内容は問いません。

 当事務所では、月額5,000円(税別)~利用できますが、一般的な弁護士報酬と比べるとリーズナブルと言えます。月ごとに料金が発生しますが、料金や契約内容等を柔軟に対応することができます。

 ホームロイヤー契約を結んで、かかりつけの弁護士をもつことによって、個人の方が弁護士と顧問契約を結び、身の回りの困ったことについて、気軽に弁護士の相談を受けられるようになるのです。

ホームロイヤーの利用を検討する際の注意点
① 助言、アドバイスしかできないこと

 ホームロイヤーが行うのは、問題や相談ごとについての助言やアドバイスまでです。実際の問題解決は、ご自身で行っていただくことになります。

 実際に問題が発生した場合、その解決は自分で行わなければなりません。

 もっとも、一般の方(特に高齢者)が法律問題を解決したり、交渉を行うことは難しいことがあります。自身での解決が難しい場合には、依頼者の事情を把握しているホームロイヤー弁護士に委任することによって、迅速且つ適切に問題に対処することができます。

 
② 判断能力のある元気な時にしか利用できない。

 ホームロイヤー契約は、判断能力が低下する前の方の支援を前提としています。

 判断能力が低下した後も継続してサポートを受けたい場合には、あらかじめ任意後見契約を結ぶなどしておかなければなりません。

4.ホームロイヤー契約を利用するまでの流れ

弁護士への相談

 上記活用例のような悩みがあり、弁護士に継続的に相談してみようかとお考えの方は、まずは一度ご相談ください。

 実際に弁護士がご相談者の方からご要望やお悩みをお聞きし、ホームロイヤーが必要かどうか、ホームロイヤーがどのような仕事をするかなどを判断します。

 ご要望に応じて財産管理契約や任意後見契約等についてもご説明もいたします。

契約締結

 ホームロイヤー契約をご希望される場合には、お願いしたい業務の内容をお聞きし、毎月の費用額などを決定し、契約書を交わすことになります。

 月ごとに料金が発生しますが、契約内容や費用はご要望に応じて柔軟に対応することができます。

(一般的な契約内容)

基本料金 月額5,000円(税別)(定額制)
事業者の方は月額10,000円(税別)

  • 相談内容、相談回数に制限はありませんが、累計の相談時間は、毎月60分程度を上限とさせていただいております。
  • 電話、メール、面談など相談方法は問いません。
  • 弁護士からのご自宅や療養先への出張も可能ですが、別途、交通事等の実費と日当が必要となります。
  • 相談だけでなく、書面作成、ホームロイヤー契約で定めた以外の事務作業、事件処理等をご依頼になる場合は、別途の弁護士費用が必要となります。 

ホームロイヤー契約開始

 弁護士が、ご依頼者のご相談に乗ったり、安否確認を行います。

 

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