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揉めない遺言書を親に書いてもらう3つのポイント

ご相談事例

 私は、大学卒業後、父が経営する会社を引き継ぎ、経営を任されました。

 経営は順調に成長し、父の財産形成にも影響を及ぼしましたので、これまでの貢献を考えて、父には、他の兄弟よりも多く遺産を分けて欲しいです。昨年ころから父の物忘れがひどくなりましたので、今の内に遺言書を書いてもらいたいのですが、早めに遺言書を書く気持ちになってもらう方法はないのでしょうか?

 また、できるかぎり私に有利でトラブルの起こりにくい遺言書を書いてもらうにはどういった点に気を付ければよいでしょうか。

 遺産が多数ある場合や、遺産が実家しかない場合など、将来予想される相続トラブルを避けるためには効果的な遺言書ですが、親が遺言書をなかなか書いてくれない、というケースがあります。

 親としては、いつかは書くべきだと思っていても、死ぬのはまだ遠い将来だから、今すぐには書かなくて良いと思っていることが多いです。また遺言書作成が面倒なので、先送りにしていることもあります。しかし、どのような人でも、いつ何時何が起こってもおかしくないのですから、遺言書は早く作成してもらった方が安心です。

 また、遺言書を書くこと自体では足りず、「揉めない」遺言書を書いてもらうことも重要になってきます。

 そこで、どのようにすれば親に遺言書を書いてもらえるか、また揉めない遺言書を書いてもらうために押さえておきたい3つのポイントをご説明します。

揉めない遺言書を親に書いてもらう3つのポイント

Point① 遺言の必要性を理解してもらう。

 まず、遺言書を書いてもらいたい方に、遺言書がないことのリスクを分かってもらうことが大切です。遺言書を書かない親は、遺言書がない場合にどのような問題が起こるのかが実際に分かっていないことが多いです。

 そこで、遺言書がないと、相続人の間でどのような争いが想定され、どのような悲惨な結果になるのかを調べて、親にきちんと説明しましょう。

 どのような相続問題が想定されるのかを、弁護士に相談し、想定される問題点を洗い出してもらうとよいでしょう。

 なお、遺言はあくまでも親に自由な意思で遺言書を書いてもらうのであって、無理矢理書かせたり、騙して書かせたりすることは禁物ですのでご注意ください。

Point② 公正証書遺言をすすめる。

 親が遺言書を書く気持ちになったら、つぎはその作成方法です。

 遺言にはいくつかの種類がありますが、一番安全でトラブルが起こりにくいのは「公正証書遺言」です。これは遺言者が公証役場へ出向き(公証人が自宅や病院まで来てくれる場合もあります)、証人2名を立ち会わせて遺言を作るというものです。

 公正証書遺言のメリットは、つぎのような点が挙げられます。

  • 法律的な不備で遺言が無効にならない(公証人がチェックするため)
  • 「本当にこの人が作った遺言か?」という疑問の余地がない
  • 原本が公証役場で保管されるため、紛失の心配がない


 なお、公正証書の作成には費用が必要ですが、法律的に不備のある、本人のものかどうかがわかりにくい遺言を残すことで様々な混乱や紛争を招くことを考えると、手数料をかけても公正証書遺言を選択する価値は十分にあります。

 したがいまして、公正証書遺言を作成することをすすめるべきです。

Point③ 遺言能力に注意する。

 亡くなった後に、一部の相続人から「ボケているのに、無理やり書かされた」、「作成された時には認知症だったから無効である」という主張が出ることがあります。

 遺言書を作成しても、相続のときになって、遺言者の遺言時における遺言能力が問題となり、最終的に遺言書が無効と判断される例が少なからずあります。認知症でも遺言はできますが、遺言書の作成にあたっては、遺言者に遺言能力のあることが重要な前提条件となります。

 上記のとおり公正証書遺言は、他の遺言に比べて確実性が比較的高いものですが、だからといって絶対に効力が覆されないのかというと、残念ながらそんなことはありません。公証人は、遺言者が遺言能力を有しているかどうかの判断まではしないからです。

 実際にいくつかの裁判例でも、公正証書遺言を作成した時点の遺言能力が否定され、遺言は無効であると判断されています。

 そこで、遺言を作成した時点での判断能力について疑義が出た場合に備えて、つぎのような準備をしておくと良いでしょう。

  • 日記(遺言者の日々の様子などがわかるよう、こまめに記録を取る)
  • 動画(受け答えの様子や遺言者の会話の状況がわかるようなものを撮影しておく)
  • 病院にかかっている場合、そのカルテの写しをもらっておく。
  • 遺言書の作成時に、医師の診断書を取っておく。

 
 
このように、遺言作成時の遺言者の心身の状態が客観的にわかる資料を準備しておくことで、後から、「判断能力(遺言能力)がなかったのではないか?」という意見が出された時に反論できるように備えておくとよいでしょう。

(執筆者:弁護士田島直明)

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