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相続は、「争続」とも言われこともあり、トラブルに発展すると、骨肉の争いになり泥沼化することになります。
もっとも、相続トラブルに発展しやすいパターンがあり、それを事前に知っておくことで、トラブルに発展することを未然に防いだり、トラブルを小さくすることができます。
ここでは、相続トラブルになりやすい事例の一部をご紹介します。
自分には遺産は家ぐらいしかないので相続は問題にならないだろう、と考えている方は意外と多いです。
しかし、主な財産が自宅不動産ぐらいしかない場合で、さらに相続人の一人が以前からそこで暮らしているような場合は、遺産分割をめぐってトラブルになる可能性が高いです。
不動産が自宅一つしかなく金融資産が少ない場合には、どうしても自宅を相続する相続人の相続割合が多くなるため、他の相続人に不平等な内容になってしまい、相続トラブルに発展することが少なくありません。
なお、ドラマなどでは、資産家の一族が多額の遺産をめぐって骨肉の争いを繰り広げる姿が描かれることが多いですが、逆に遺産が多い場合は生前贈与や遺言などの生前から相続対策を行っていることが多く、実際には、「争続」になることはそれほど多くはありません。
したがって、遺産が少ないからといってトラブルにならないとは限りませんので、生前から相続対策しておくべきです。
最後に相続トラブルを招きやすい種をリストアップしました。この中に1つでも心あたりがありましたら、今のうちから「争続」対策を始めたほうがよいかもしれません。ぜひ、将来の相続に向けてこのリストをご活用ください。
□被相続人に内縁の妻や夫がいる
□被相続人の内縁の妻や夫に子どもがいる
□被相続人が離婚や再婚をしている
□被相続人に前妻や前夫に子どもがいる
□一部の相続人しか知らない養子縁組をしている
□配偶者がすでに亡くなっている
□家族間が疎遠、または仲が悪い
□特定の人物のみが親の介護をしている
□相続人に自立できていない者がいる
□相続人の数が多い
□音信不通の子どもやきょうだいがいる
□子どもはいないがきょうだいがいる
□被相続人が認知症に罹っている
□被相続人が最近物忘れが多くなってきている
□相続人の配偶者で影響力の大きい者がいる
□財産は預貯金よりも不動産の方が多い
□先祖名義のままになっている不動産がある
□財産の中心が借金して建てたアパート
□財産に農地や山林が多い
□別荘を持っている
□財産に美術品や骨とう品が多い
□親の死後、実家が空き家になる可能性がある
□親名義の預貯金を一部の相続人が管理しているが、管理状況に不安がある
□財産がどれだけあるのか、全貌が分からない
□完済見込みのない借金がある
□親が連帯保証人になっている
□親が遺言書は書かないと言っている
□実家に同居している相続人がいる
□被相続人が特定の子や孫に生前贈与している
□生前贈与の実施は相続人の一部しか知らない
□親が新興宗教に入信している
(執筆者:弁護士 田島直明)
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