〒105-0003 東京都港区西新橋1-6-13 柏屋ビル9階

受付時間
平日 9:30~20:00
 アクセス  
JR新橋駅 徒歩8分
虎ノ門駅 徒歩3分
内幸町駅 徒歩3分
霞ヶ関駅 徒歩4分
虎ノ門ヒルズ駅 徒歩7分

お気軽にお問合せ・ご相談ください  

03-6206-1078

遺言の種類(それぞれの要件、メリット・デメリット)

 よく利用される通常の遺言の方式としては、①自筆証書遺言、②公正証書遺言、③秘密証書遺言の3種類があります。 

 このページでは、各遺言の作り方、メリット・デメリットをご紹介していきます。

1.自筆証書遺言

(1)作成方法

 遺言者が、①日付、②氏名、③全文、を自書し、押印することで作成できます。 

自筆証書遺言の要件が緩和されました。

 平成30年の民法改正により、財産目録は自署不要、パソコンでも作成可能になりました。
 これまで、自筆証書遺言についてはその全文を自署(手書き)で作成しなければならず、特に財産の多い方にとっては大きな負担となるだけでなく、書き間違え等のリスクもありました。改正後は、相続財産の目録について自署が不要となります。

 具体的には、

  • パソコン、ワープロでの作成
  • 不動産については登記事項証明書を添付
  • 預貯金については通帳のコピーを添付

 といったことが認められます。

 ただし、財産目録の全ページへの署名・押印は必要となります。

 なお、遺言に添付した財産目録については自書する必要がなく、パソコン作成や代筆であっても、その目録の毎頁に遺言者が署名・押印することで有効な自筆証書遺言の一部として扱われることとなります。

パソコンによる財産目録の作成例

別紙財産目録

不動産

種類 所在・種類・面積 金額(申請時)
土地    
建物    

預貯金

種類 金融機関・支店名・口座番号 金額(申請時)
     
     

生命保険・株式・投資信託等

種別 会社名・商品名・証券番号等 金額(申請時)
     
     

負債

種別 借入先 金額(申請時)
     
     

【注意点】この改正の施行日は2019年(平成31年)113日です。

 改正法により認められた形式の自筆証書遺言が有効となるのは、施行日以降に作成されたものに限られます。

 施行前に作成された自筆証書遺言はあくまで全文が自署されていなければ無効となりますのでご注意ください。

自筆証書遺言のメリット・デメリット

メリット

  • 簡単に作成できる
  • 遺言があること自体を秘密にできる

デメリット

  • なくしてしまったり、偽造される危険がある
  • 文意が良くわからないとして、後々その効力が問題となりやすい
(2)保管方法

 自筆証書遺言は、公証役場で保管される公正証書遺言と異なり、自筆証書遺言は遺言者自身が自己責任で保管しなければなりません。

 有効な自筆証書遺言が作成されたとしても、上記のとおり、遺言書をなくしてしまったり、偽造される危険があります。

 そうした問題が起こらないよう、平成30年7月6日,法務局における遺言書の保管等に関する法律(平成30年法律第73号)が成立しました(同年7月13日公布)。

自筆証書遺言の保管制度の創設

 法務局における遺言書の保管等に関する法律は、高齢化の進展等の社会経済情勢の変化に鑑み,相続をめぐる紛争を防止するという観点から、法務局において自筆証書遺言に係る遺言書を保管する制度を新たに設けるものです。

  遺言書保管法の施行期日は、施行期日を定める政令において平成32年7月10日と定められました。 

 この制度の利用方法及び概要は、以下となります。

  1. 遺言者本人が、遺言者の住所地・本籍地・所有する不動産の所在地のいずれかの遺言保管所に出頭し、遺言保管官に対し、申請書を用いて遺言書の保管の申請を行う。
    ※ただし、法務省令で定める様式に従って作成され、かつ封のされていない自筆証書遺言に限る
  2. 申請を受けた遺言書保管官が、遺言者の本人確認を行う。
  3. 遺言書が、保管日から、遺言者死亡日から政令で定める一定の期間が経過するまで、遺言書保管所の施設内において保管される。

※遺言者は、いつでも、出頭して遺言書の閲覧請求・保管の撤回をすることができます。

関係相続人等(遺言書に受遺者として記載された人、遺言書で遺言執行者に指定された人等)は、遺言者が死亡した後は、遺言書が保管されている遺言書保管所で、遺言書の閲覧が請求できます。

※ご自身が関係相続人等にあたるかが不明なときは、どなたでも、最寄りの遺言書保管所で確認することができ、該当する場合には、遺言書保管事実証明書(遺言書の作成年月日、遺言書が保管されている遺言書保管所の名称・保管番号が記載された書面)の交付を申請することができます。

~相続発生後の検認手続が不要に~

 自筆証書遺言を法務局に保管していた被相続人が亡くなった場合、相続人等は法務局に対し「遺言書情報証明書」の交付を請求することができるほか、遺言書原本の閲覧を請求することもできます。

 また、自宅等で保管している自筆証書遺言については家庭裁判所による検認が必要ですが、法務局に保管されている自筆証書遺言については検認手続が不要となります。

~施行日に注意~

 新法の施行日は2020年(令和2年)7月10日です。
 施行前に法務局へ保管申請を行うことはできませんのでご注意ください

2.公正証書遺言

 公正証書遺言は、以下の手順で作成されます。

  1. 証人2人以上の立会いのもとで、
  2. 遺言者が遺言の内容を公証人に口頭で伝え、
  3. 公証人が、遺言者が言う内容を筆記し、遺言者と証人に読み聞かせる(または閲覧させる)。
  4. 遺言者と証人が、筆記された内容が正確であることを承認し、各自署名押印する。
  5. 公証人が、作成された遺言書が適式な方式に従って作ったものであることを付記して、署名押印する。

公正証書遺言のメリット・デメリット

メリット

  • 公証人の前で作成し、原本を公証人が保管するため、偽造されたり、なくしてしまう心配がない
  • 公証人が関与するため、その後に遺言の効力が問題となることが少ない
  • 家庭裁判所の検認が不要

デメリット

  • 遺言の内容が、証人・公証人に知られてしまう
  • 他の方法と比べて手続きが面倒

3.秘密証書遺言

 秘密証書遺言は、以下の手順で作成されます。

  1. 遺言者が遺言書に署名押印する。
  2. 遺言者が遺言書を封じ、遺言書に用いたのと同じ印章で封印する。
  3. 遺言者が公証人1人と証人2人以上の前に封書を提出し、自己の遺言書であることと、自らの氏名と住所を口頭で述べる。
  4. 公証人がその遺言書を提出した日付と遺言書が述べたことを封紙に記載したのち、遺言書と証人と共にこれに署名押印する。

秘密証書遺言のメリット・デメリット

メリット

  • 公証人や証人に内容を知られずに遺言書を作成できる

デメリット

  • 公証人が遺言書の内容に関与しないため、後々その効力が問題となりやすい

 以上が、良く利用される通常の遺言の方式3種類です。
 それぞれメリット・デメリットがあるので、目的にあった方式を選択することが重要です。

(執筆者:弁護士 田島直明)

お問合せ・ご相談予約はこちら

お電話でのお問合せはこちら

03-6206-1078
受付時間
平日 9:30~20:00
定休日
土・日・祝日

お問合せはこちら

お電話でのお問合せはこちら

03-6206-1078

フォームでのお問合せは24時間受け付けております。お気軽にご連絡ください。

新型コロナウイルス感染拡大防止の取り組み

当事務所では、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、オンライン相談(zoom)の実施などの措置を講じております。
詳しくは下記ページをご覧ください。