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兄がお墓を独り占め?—お墓トラブルの解決法

ご相談事例

 私は兄と2人兄弟です。父は5年前に既に亡くなり、母も1年前に亡くなりました。実家で母と同居していた兄が、「仏壇も位牌も自分が管理している。菩提寺の墓の権利も自分が継ぎたい」と言い出し、私が実家にお墓参りすることも拒んでいます。

 私としても、妻や子どももそのお墓に入ると思っていたので、どうなるか心配です。

 お墓も、土地などと同じように相続の問題となるのでしょうか、また兄との間のお墓を巡る問題に対してどのように対応したらよいでしょうか。

1.お墓は相続の対象?

 民法では相続開始の時から、被相続人の財産を相続人が承継すると定めており(民法896条)、相続人が複数人いる場合、相続財産は相続人の共有に属することと定めています(民法898条)。

 しかし、もしお墓を共有して相続することになると、その処遇に関して問題がある度に相続人同士が話し合って決定をする必要がでてきます。また、相続人が死亡した場合、お墓を共有する人数がさらに増えてしまい、取り扱いが複雑になる危険性があります。

 そのため民法では「墳墓」つまりお墓は相続財産に含まれず、特定の者が承継すると定めています(民法897条)。つまり、お墓は相続の対象ではありません。

2.お墓を承継する者とは?

 では、お墓は誰が承継するのでしょうか。

 民法は、お墓は、「先祖の祭祀を主宰する者」が承継すると定められています(民法897条)。この「先祖の祭祀を主宰する者」とは、先祖を祭る行為つまり、葬式や法事等を主体となって行う者のことを意味します。

 祭祀主宰者の決定方法には、つぎの3つの方法があります。

① 被相続人が指定する。

 例えば、亡くなる前に作成された遺言書で、被相続人が自分の子供を祭祀主宰者と決めていたような場合です。

② 指定がなかった場合に慣習で決める。

 遺言書等で指定していない場合には、地域やその家の慣習によって決まることになります。

③ 裁判所が決める。

 指定及び慣習がない場合に、また話し合いによっても決まらなかった場合には、家庭裁判所が決定する。 

 親族間での話し合いが難しい場合には、家庭裁判所に祭祀承継者の指定について調停又は審判を申し立てることになります。

 調停で折り合いがつかなければ、裁判所が審判を出しますが、裁判所は、被相続人の血縁関係や過去の生活関係・生活感情の緊密度、被相続人の意思、承継候補者の意思及び能力などを総合して判断します。

3.今回のケースではどうすればいい?

 上記の相談事例では、まず遺言による指定がなされているかを確認します。また、墓地のある住所地や地域で長年続いてきた慣習があるかどうかを検討します。

 さらに、お母様が菩提寺に墓地使用権の承継者を伝えている場合などもありますので、お寺にも確認をしてみることが考えられます。

 兄弟間での話し合いが難しければ、裁判所での調停を利用することを検討することになります。

 このような方法により、お墓を承継する特定の者が一人決め、その者がお墓を管理していくことになります。

 お墓を巡る問題についてお困りの方は当事務所までご相談ください。

(執筆者:弁護士 田島直明)

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